最近ではフリマアプリを使って不用品を売ることで、お小遣い稼ぎしている中学生や高校生も普通にいます。
とはいえ、不用品を売り尽くしてしまうと、身近に売れるものがなくなって出品できなくなる問題が出てくるものです。
そこで、売るために商品を仕入れてフリマアプリで販売するという転売に行き着く中学生・高校生も結構いらっしゃるのではないでしょうか?
もしくは身近な友だちが転売で利益を得ているケースも、決して珍しくはありません。
ネット上でも転売で稼いでいる人が簡単に見つかります。
そんな状況を見て、自分も転売をやってみようと思う中学生や高校生も当然出てくるでしょう。
この記事では、本当に中学生や高校生が転売で稼げるのかどうかについて言及しています。
SNSやYouTubeなどでは、中学生・高校生でも転売で簡単に稼げるみたいな情報も少なくないようですが、とくに未成年者の場合は注意点がたくさんあります。
自分にとって都合の良い情報だけを信じて、よく考えずに行動すると危険かも知れません。
ぜひこの記事を参考にしていただければと思います。
中学生・高校生でも転売で稼げるのは事実
先に結論をいえば、中学生や高校生でも転売でお金を稼ぐことは十分可能です。
転売自体が単純な仕組みで、安く買って高く売るだけなので、利益の計算さえできれば、中学生でも比較的簡単に実践できます。
たとえば300円で仕入れた商品をメルカリで800円で出品して売れれば、800円-300円=500円に10%の販売手数料を引いて420円、さらに送料が180円かかったとすると240円が粗利益として残ります。
- 仕入れ金額300円
- 販売金額800円
- 販売手数料10%=80円
- 送料=180円
800円-(300円+80円+180円)=240円
1個あたり240円の粗利益が発生する商品が売れるとわかったら、追加で仕入れをして出品数を増やすことで、もっと稼げるでしょう。
たとえば1個出品したら即売れだったので、次は5個仕入れて出品、売れたら全部で240円×5個=1,200円の粗利益が発生します。
最初は資金が少ないため、どうしても稼げる金額も低くなりますが、売れる商品がわかって入金されたお金を資金源に仕入れを増やせば、販売数が伸びると同時に全体の利益も伸びていきます。
こんなふうに小学生レベルの算数ができれば、年齢に関係なく転売で稼ぐことは十分可能です。
あくまで理論上の話ではありますけどね…
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未成年者のせどりや転売は違法?
フリマアプリなど未成年者が金銭のやり取りが発生するサービスを利用する場合、どうしても親の同意が必要だったり、法律的な縛りが出てきます。
転売となると世間一般のイメージから違法だと思っている人も、世の中には結構いるようです。
しかし、転売行為そのものは決して違法ではありません。
厳密にいえば違法な転売行為に当たる転売のやり方もあるので、一概にすべての転売が違法ではないとは言い切れないのが現状ですけどね。
チケットや偽ブランド、万引きした商品の転売は、もちろん違法です。
たとえばチケット転売は、チケット不正転売禁止法に抵触し、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金またはその両方が科されます。
また、転売自体は違法ではないけれど、やり方によっては出品に使うサービスやアプリの利用規約に違反する場合があります。
利用規約違反の例を挙げると、たとえば出品禁止物だったり、複数アカウントだったりですね。
違法行為や利用規約に違反すれば、当然、犯罪になったり、アカウント停止になったり罰を受けます。
とくにフリマアプリでの未成年者のトラブルは増えているようなので、気をつけましょう。
中高生がせどり・転売で稼ぐための強み
中高生がせどりや転売を行う上で強みとして使えるものがいくつかあります。
中高生が転売で活かせる強み- 流行に敏感なところ
- 時間の自由が効きやすい
- 友だちとの会話がヒントになる
どういうことか一つひとつ説明していきますね。
流行に敏感なところ
中高生はトレンドや流行に敏感です。
流行のアイテムやトレンドをいち早くキャッチして仕入れができれば、転売で稼げるチャンスも広がります。
たとえばアニメや漫画のグッズは、その作品が流行している時期に需要が急増します。
中高生なら、アニメや漫画の最新情報をいち早く入手することができるため、流行のグッズを仕入れて転売すれば、大きな利益にもつながります。
時間の自由が効きやすい
中高生は、フルタイムで働いている社会人よりも自由な時間があります。
中には部活などで忙しい人もいるでしょうが、学校帰りや友だちと遊びに行く機会に仕入先を見つけたりすることも多く、自由な時間が転売にも有利に働きます。
友だちとの会話がヒントになる
中高生は、学校の友だちと過ごす時間が長く、友だちとの会話から需要のある商品を把握できます。
たとえば、友だちが新しいスマホケースを買ったと聞けば、そのスマホケースの需要と価格をネットで調べて転売できます。
他にも次のようなアニメや漫画、アイドルなどの会話から売れそうな商品を把握してみるといいかも知れません。
- アニメや漫画のグッズ
- アイドルやアーティストのグッズ
- 人気キャラクターのグッズ
- 最新のゲームやおもちゃ
- 流行のファッションアイテム
- 最新の電子機器
これらの商品は、中高生を中心に人気があるため、仕入れることができれば、大きな利益にもつながります。
中学生や高校生の転売は決して簡単ではない
ネット上に飛び交う儲け話によると、転売は簡単に稼げるみたいですが、中学生・高校生にとっては決してそうとは言い切れません。
中学生・高校生にとって転売は決して簡単ではない理由は、次のとおりです。
中高生の転売が簡単ではない理由- せどり・転売は親の同意が得られにくい
- 未成年者は古物商許可証が取得できない
- 中学生や高校生は資金的に転売で不利になりやすい
これらがどういうことなのか説明します。
せどり・転売は親の同意が得られにくい
せどりや転売で稼ぐには、商品を出品するためにフリマアプリを利用するのが一般的ですよね?
未成年者がフリマアプリを利用するには、親の同意が必要です。
自分が使わなくなった不用品をフリマアプリに出品する分には、親も理解を示して同意してくれるかも知れませんが、転売目的となると難しい場合もあります。
親からもらったお小遣いを仕入れに使って、仕入れた商品を販売して利益を得るためにフリマアプリを使用するとなると、心配になって同意したくなくなるのではないでしょうか?
バイト可能な高校生でしたら、自分の稼いだバイト代で仕入れをすれば問題ないと思うかも知れませんが、未成年者である以上、トラブルが発生したら親にも責任を負う義務があります。
また、転売という言葉に悪い印象を抱いていて、自分の子どもが転売ヤーになるのを拒絶する親も当然いると思います。
せどりや転売そのものは何も悪いことではないのですが、未成年者の場合、どうしても自己責任というわけにはいきません。
転売目的でフリマアプリを使用する場合、親の同意が得られにくいと思った方がよいでしょう。
未成年者は古物商許可証が取得できない
利益を得る目的で継続的に中古品を販売する場合、古物商許可証の取得が必須になります。
中古の不用品を売る分には古物商許可証は不要ですが、利益を得るために仕入れをする場合は注意が必要です。
古物商許可証は、古物営業を行うために必要な許可証です。
古物営業とは、古物(中古品)を買い取ったり、売ったりすることをいいます。
転売ヤーと呼ばれる人たちは、業者として古物(中古品)を仕入れたり、売ったりしているため、古物営業を行っていると見なされるわけです。
古物営業を行うには、当然古物商許可証を取得しなければなりません。
古物商許可証は、都道府県公安委員会から交付されます。
古物商許可証を取得するには、次の条件をすべて満たす必要があります。
- 20歳以上であること
- 欠格条項に該当しないこと
- 一定の経営能力を有すること
- 一定の財産的基礎を有すること
欠格条項とは、古物商許可証を取得することができない者を定めた条項です。
欠格条項に該当する者は、古物商許可証を取得できません。
20歳未満の中学生・高校生は原則として古物商許可証を取得できません。
なので、ブックオフなどで中古の本やCD、DVD、ゲームなどを毎月仕入れて来て、利益を得る目的で販売し続けるのは厳しいといえるでしょう。
中学生や高校生は資金的に転売で不利になりやすい
転売で何十万円、何百万円といった大金を稼いでいる転売ヤーがいますが、彼らはそれだけ資金を投入して稼いでいます。
仕入れ資金が潤沢にないと、転売で大きな金額は稼げないというわけです。
また転売の性質上、仕入れた商品すべてが売れるとは限りません。
最初の頃は即売れした商品も、同じものがたくさん安く出品されれば、そのうち値下げしても売れなくなったりします。
値下げして利益どころか赤字になる商品も当然出てくるでしょう。
赤字の商品をたくさん抱えてしまうと、売れば売るほど損をします。
しかし、手元のお金が減っていくと、新たな仕入れもできなくなるため、赤字でも売りきらなければならない状況に陥ったら、仕方なく損をしてでも売る人もいるでしょう。
こうやって資金がショートして転売をやめる人もたくさんいるのが実情です。
そして、安く買える商品は競争が激しく、高く売れる商品は仕入れ値が高いため、利益率が低くなります。
とくに資金の少ない中学生・高校生は、転売する商品を下手に増やしたり、欲を出して手を広げると赤字たれ流し状態に陥りやすいので気をつけましょう。
中学生・高校生は資金的に転売で不利になりやすいので、小さな利益をコツコツ積み上げていくのが堅実です。
未成年者が転売を行う上でとくに注意すること
未成年者は転売を行う上で次のことには、とくに注意する必要があります。
未成年者が転売を行う上でとくに注意すること- 法令や規制を遵守
- 詐欺やトラブル
法令や規制については、先ほども触れましたが、「知らなかった」では済まされません。
またネット上には詐欺的な情報もありますし、未成年者はトラブルに巻き込まれる危険も高いです。
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法令や規制を遵守
未成年者は、成人と比べて法律上の権利や義務が制限されています。
とくに転売を行う場合、次の例にように遵守する法律や規制はさまざまです。
- 薬機法
- 食品衛生法
- 著作権法
- 不正アクセス禁止法
これらはほとんどのフリマアプリで禁止行為や出品禁止物として扱われています。
詐欺やトラブル
せどりや転売に興味を持ってネットで検索すると、丁寧に稼ぎ方を教えてくれるコンサルタントや情報商材にたどり着くことがあります。
輝かしい実績を激しくアピールしてきたり、軽快で親しみやすいトークの動画だったり、SNSのDMだったり、やり方はさまざまです。
もしかしたら心動かされる中学生・高校生もいるかも知れません。
しかし、こういった情報には注意が必要です。
親切そうに見えても実際にコンタクトを取って何回かやり取りしてみると、高額やコンサルや情報商材を売りつけてくる場合があります。
転売系コンサルや情報商材は、スマホひとつで簡単に稼げるというものですが、実際には大金を稼ぐための具体的な方法は教えてくれません。
高額な料金を払っても、役に立たない内容や、さらに高額な契約を勧められるだけです。
転売系コンサルや情報商材の勧誘は、SNSやメール、公式LINEなどで行われます。
SNSでは、成功したという写真や動画を見せて信用させたり、友人からの紹介と偽ったりします。
くわしくは消費者庁の公式サイトを参考にしてみてください。
また、中学生・高校生はフリマアプリの取引でもトラブルが発生しやすいので気をつけましょう。
フリマアプリのトラブルには、次のようなものがあります。
中高生の転売で起こり得るトラブル- 仕入れた商品が届かない
- 同業者からの嫌がらせコメント
- 間違って違う商品を発送
- 配送先の間違い
- 商品の破損や不備
- 実在しない商品の出品
- 複数アカウント作成による利用制限やアカウント停止
こういったトラブルは、仕入れた在庫が増えてくると管理が杜撰になって発生する場合がほとんどです。
また「もっと稼ぎたい」という欲を出し過ぎると、隙が生まれてトラブルに巻き込まれやすくなるのでご注意ください。
世間は転売ヤーに厳しい
転売ヤーとは、人気商品や限定品を大量に買い占めて、高値で転売する人のことです。
こういった行為は、一般の消費者にとっては不公平であり、メーカーや販売店にとっても迷惑なものです。
市場経済は、消費者と生産者が直接的に価格を決める仕組みですが、転売ヤーはその間に割り込んで人工的に価格を吊り上げることで、市場の機能を歪めています。
また、転売ヤーは本当にその商品を必要としている人たちから購入機会を奪うことによって社会的な不満や不信感を生み出しています。
これは市場経済の基本的なルールである「信用」を損なうことになります。
実際に転売ヤーたちによって商品が高値で取引されることで、メーカーや販売店はその差額分の利益を失っています。
商品が入手困難になることで、消費者からの不満や苦情の声も増えて当然でしょう。
多くのメーカーや販売店は転売ヤーに対して厳しい対策を取っています。
たとえば、一人当たりの購入制限や抽選制度の導入、オンライン販売の強化などです。
世間一般がイメージする転売ヤーとは、社会的な正義や公平さを無視して、自分たちの利益だけを追求する人たちです。
転売ヤーに対して世の中の視線が厳しいのは、仕方ありません。
中高生がせどり・転売で稼ぐと発生する税金問題
中高生が順調にせどりや転売で稼げる金額を増やしていった結果、新たな問題に直面します。
年間で稼いだ金額が一定以上になると、発生するのが税金問題です。
一定以上稼いだら、税金を支払わなければなりません。
税金を納めるということは、中高生でも例外なく、確定申告が必須となります。
また親の税金にも影響が出てくる可能性があるのでご注意ください。
中学生や高校生でも稼ぎ過ぎると確定申告が必須
転売で稼ぐことは、中学生や高校生でも可能です。
しかし、稼ぎ過ぎると税金の問題が発生する可能性があります。
確定申告とは何か、どんな人に必要か、どうやって行うかなど、転売を始める前に知っておくとよいでしょう。
確定申告とは、自分の収入や支出を国に報告することです。
転売で稼いだ収入が一定の金額以上になった場合は、確定申告をしなければなりません。
年間20万円以下なら確定申告をしなくても大丈夫ですが、それ以上ならしなければなりません。
もちろん中学生や高校生でも、転売で稼いだ所得が20万円を超えると、確定申告が必要です。
確定申告をするには、所得税の申告書を作成する必要があります。
所得税の申告書は、国税庁のホームページからダウンロードできます。
確定申告をする際は、所得税の申告書に、転売で稼いだ所得を記載する必要があります。
また、転売で使った経費も記載する必要があります。
経費を記載することで、所得税の額を減らすことができます。
確定申告は、税務署のホームページからオンラインで行うことも可能です。
オンラインで確定申告を行うと、手間をかけずに確定申告をすることができます。
納税とか確定申告とか難しくてよくわからない中学生や高校生は、年間20万円以上稼がなければ確定申告しなくても大丈夫です。
親の税金にも影響を及ぼす?
中学生や高校生が副業で稼ぎすぎると、親の支払う税金に影響することがあります。
まず、中学生や高校生が副業で稼いだ所得は、親の所得に加算されます。
そのため、親の所得税や住民税の額が上がります。
また、中学生や高校生が副業で稼いだ所得が一定額を超えると、親は親子控除の適用を受けられなくなることがあります。
親子控除は、子どもがいる家庭に支給される税金の控除です。
親子控除の額は、子どもの数によって異なります。
たとえば、中学生や高校生が副業で稼いだ所得が年間38万円を超えると、親は親子控除の適用を受けられなくなります。
親子控除の適用を受けられなくなると、親の所得税や住民税の額が上がります。
中学生や高校生が副業で稼ぐ場合は、親の税金に影響する可能性があることを認識しておく必要があります。
中学生・高校生にせどり・転売は本当におすすめなのか?
ネット上では簡単にできる副業としてせどりや転売が取り上げられる機会も多いようですが、中学生・高校生など未成年者には本当におすすめかというと、正直な話どうでしょうか?
お小遣い稼ぎの延長にやる分には良いと思います。
中学生・高校生が転売というと世間的な印象は悪いですが、商品を仕入れて、実際に販売する工程を学ぶ機会にもなるので、社会勉強にも役立つでしょう。
しかし、ネットの情報を鵜呑みにして人気商品を買い占めて相場を釣り上げたり、資金不足を回避するために家族や友だちに借金してまで仕入れをしたり、本来やるべき勉強や友だちとの付き合いを疎かにしてまで転売を優先させたりするのは反対です。
「儲かる」とか「簡単にできる」とか、そういった文言だけを見るのではなく、中学生・高校生にとってマイナスとなる要素も鑑みると、お小遣い稼ぎの範囲を逸脱した転売はおすすめしません。
商売の勉強、物を売って利益が出る仕組みを学ぶ機会として、お小遣い程度の金額をせどりや転売で稼ぐ経験をするのは、良いことだと思うんですけどね。
中学生・高校生でも転売で稼ぐことはできますが、同時に注意点やリスクも多く、無条件におすすめとはいえないのが正直なところです。